【悲報】冷徹上司の毒牙にかかり推しごとがはかどらない件について
困惑する私に彼は意地悪な笑みを浮かべて低い声で言った。

「一緒に入るんだ」
「え……? っあ…!」

言うなり社長は私を抱きかかえてパウダールームへ向かった。

自分の衣服をすべての脱ぎ捨て私も一糸まとわぬ姿にすると、社長は熱い湯に打たれながらまた私の唇を貪った。

湯の熱さに加えてキスの激しさにも襲われて全然インターバルにならない。

それどころか、社長は私の体の過敏な部分まで愛撫し始めた。

彼の指が優しい動きで私の欲情を引き出し、やがて私の体の奥まで忍び込んでいく。

「すごいな。もう俺が欲しくてたまらなそうだ」
「……んっ、言わないで」
「そんなかわいい声で拒まれても、余計に抑えられなくなるだけだぞ」

さらに奥に指を埋められ私は息を詰める。
すかさず指が前後に動き、私は甘たるい声が出るのを堪えられなかった。

一度出てしまえば、指の動きに合わせて喘ぎ声がとめどなく零れてしまう。

恥ずかしくて社長のたくましい腕に唇を押し付けると、掠れた低い声でたしなめられた。

「だめだ。もっと俺に美香の声を聞かせて」

さらに激しくかき乱され絶頂を迎えそうになったところで指を引き抜かれた。

長々とシャワーを浴びたせいもありすっかり火照ってしまった私の体を抱き留めると、社長が囁いた。

「続きはベッドで。美香と一緒に気持ちよくなりたい」

再び抱きかかえられ優しくベッドに寝かされると、社長の熱い肌が私の体を包み込んだ。

キスをされながら彼の欲望を受け入れる。

「愛しているよ、美香」

揺すられながら何度もそう囁かれた。

私は社長に縋りつきながら、快楽と幸福に身も心も染め上げられていった。
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