【悲報】冷徹上司の毒牙にかかり推しごとがはかどらない件について
「私の父が悠悟さんをとてもよく気に入って進めた話でしたが、私は彼のことを本気で愛しています。それだけに彼の女性関係のことでずっと悩んでいました」

そうして見せてきたスマホの画面に映る画像に私は目が釘付けになる。

悠悟さんが女性と抱き合っているところが写っていた。

画像の日付は一昨日のもの。

相手はあの前秘書の女性だった。

あれほど真剣に私に愛の告白をしてくれたのに、悠悟さんはあんなに冷たくあしらっていた彼女との関係も続けていたのだろうか。

「今は関係を持つ女性が他にたくさんいても最後は婚約者である私に振り向いてくれる……そう信じてずっと我慢してきました。でももう限界なんです……」

会田さんは涙を零して訴えた。

「どうせあなたも遊びで悠悟さんと関係を持っているんでしょう?　 だったらもう彼に関わらないでほしいの。言いたいことはただそれだけ……」

涙をぬぐうと会田さんは踵を返して走り去ってしまった。　

私は茫然と立ち尽くすしかなかった。
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