【悲報】冷徹上司の毒牙にかかり推しごとがはかどらない件について
※

私はアニメやゲームといった二次元のものが小さい頃から好きだった。

キラキラした個性あふれるキャラクターやドキドキわくわくするストーリーに触れていると、時間や現実を忘れるくらいに夢中になって幸せいっぱいになった。

こんな素晴らしいものが世界にあることが嬉しくて、私はこういったものが好きということを周囲に隠すことなく成長していった。

でも、それも高校生までだった。

ある苦い経験を境に、私はアニメやゲームが好きということをひた隠しするようになった。
真面目な優等生という以外は特に目立った特徴もない地味な女の子として過ごすよう努めた。

その一方で、ますます二次元の世界にのめり込んでいった。

だって、二次元のキャラたちはみんな優しく私を受け入れてくれて、元気や喜びを与えてくれる。
彼らがいれば毎日が楽しい。つらいことは乗り切れるし、ひとりでだって生きていける。
こんな素敵なものに出会えて私はなんて幸せなんだろう。

そんな浮かれ気分は、突然終わりを迎えることになった。

「え!?」

職場近くにあるカフェでスマホを眺めていた私は、衝撃の事実を知るなりサンドイッチを落としてしまった。
< 6 / 70 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop