死んでからも、愛してください。
「ちぇ…にーちゃんいつも来るの早いんだよ…」
一緒に砂場で遊んでいた光くんが言う。
眉を下げて悲しそうなのとは対照的に、わたしはつい笑顔になってしまう。
スカートに付いている砂を払う前に、光くんとスコップを置いて一目散に走る。
「歩ちゃん!」
「こら、砂落とせ!」
頭の上からそう聞こえたけど、いつもと同じように右足にしがみつく。
わたしを足から離して、しゃがんだその人は服やらスカートやらに付いた砂を丁寧に払ってくれた。