死んでからも、愛してください。
分かってる。
困らせてることくらいわかってる。
歩ちゃんがまだ、あの人のことを想ってるのも知ってる。
知ってて困らせてる。
わたし…今どんな顔してるかな。
歩ちゃんが…口を開く。
「はな」
後ろから声がした。
歩ちゃんとは違う声。
でもいつの間にか大人びた声になっていて、昔はもっと可愛い声だったのに。
「…光くん」
わたしがここに居るって誰に聞いたんだろ…。
ここに来ることは美桜にしか言ってないから聞いたんだなって冷静に頭の中で思った。
「光、ノックぐらいしろ」
「すみません、瀬戸先生」
わたしを間に挟んで会話する歩ちゃんと光くんの空気感が重たい。
「はな、帰るぞ」
「…え!?わたしは歩ちゃんとまだ…」
「用事はもう終わったから帰りなさい」
「ちょ…!」