死んでからも、愛してください。



光くんから歩ちゃんに視線を戻す。


歩ちゃんはもうわたしの方は見ていなくて、ズボンのポケットから紙の煙草が入った箱を取り出していた。


まだ話は終わってない。


わたしはまだ話したいことがあるのに。






「はな、行くぞ」






そう言って私の手を掴んで引っ張る。


社会科準備室の扉が閉まる…歩ちゃんは1度もわたしの方なんて見ずに煙草に火をつけていた。


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