美しい海はどこまでも
バレーなら私も出来るんだけどなぁ。人数をどうするかも決めておいた方がいいかもしれない。
「そういう経緯で、バレー部の皆さん、ご協力お願いします!」
日が変わった今日、美記が閃いてお願いをしているのはバレー部の皆さんだ。
全員は無理だけど、この中から九人助っ人を呼ぶことになった。
「じゃあ、この九人で」
そう部長が言って前に出た選ばれし九人は、身長高めの顔が整っている人達だった。
それなりにビジュアルのことを気にしたのかもしれないけど、ぶっちゃけそれはどうでもいい。
……それにしても威圧感が半端ない。高い人は百九十五くらいあるんじゃないかな。
クールな雰囲気の人が多いバレー部は、雰囲気も青っぽい。
待って、この人たちの中に私が入ったら一人だけ身長低くて悪目立ちしちゃうよ……
んで、いつこうなったんだっけ?苦ではないからまだいいけど……
翌日の朝、バレー部と混じって練習試合的なことをすることになった。
部長さんは補欠には入っていなかった。(どこぞの元気いっぱいな部長さんと違って)
私と美記と海チーム対部長チームで試合をする。
試合が始まると、確かに部長さんは上手だった。だけど、それ以上に驚いたのが……
なんとなんと海がバレー上手すぎたのだ。スパイクは決めるしサーブも強烈。ブロックまで完璧でレシーブだって出来る。
もちろん結果は私たちのチームが勝った。
すると、部長さんが海の元へ近づいてこう言った。
「なんで君バレー部に入っていないの?バレー部においでよ」
私もそれは思った。写真部よりもバレー部の方が海は輝けると思う。
「俺、キョーチョーセーは無理なので入る気はありません。お声がけはありがとうございます」
ハハハ、今日も不良絶好調だなぁ。徹底ぶりには毎回驚くよ。
「そ、そっかぁ。まぁ、バレーしてた姿は超良かったからさ、アドバイスだけでもたまにはしてくれるとありがたいよ。またいつでも来ていいからね」
「…あざす」
はは、部長さん優しめだね。不良姿の海相手でもマイルドな接し方だ。
ストーリーは大まかな流れは完成したから、あとはセリフだけ。