Only
頼むから……もう解放してくれよ。


「逃げられねぇんだよ。お前は、俺から。わかってるだろう。」

「うるさい……。」

「お前の選んだ道だよ?この『地獄』は。」

俺は……ただ、どうしても。守りたかった。




『お兄ちゃんっ!』


サユの笑顔を、失いたくなかった。
そのためなら、何を犠牲にしてもいいと思った。



明衣。君なら、こんな俺を軽蔑するか?


でもきっと。愚かな俺は何度時を戻しても同じことをする。

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