Only



まだ、話す勇気がなかった。柴崎を、失いたくなかった。


「……ごめん。」

私がそういうと、柴崎は目を細めた。なんだか、淋しそうに見えた。


「……明衣。俺は……。」

「柴崎のことは、信頼してるよ。いい友人だと思ってる。でも……まだ、聞かないで。」

いつか、私の気持ちに踏ん切りがついたら。
ちゃんと、話せる日がくるから。



柴崎は、それ以上何も言わなかった。
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