Only




「バカね。何一人で悩んでるのよ。」

夏海がフッと笑って私の頭を撫でた。



それがとても温かくて。

『明衣。』


私は何故か、陽輔の笑顔と声を思い出していた。





「……あなたたち、どうして必要なことを何も話さないのよ。」

仕事を早めにあがり、夏海の部屋に引きずり込まれるように連れてこられた私は、夏海に全てを語った。


それはもちろん、自分の心の中同様にぐちゃぐちゃな説明だったけれど。



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