Only




「お互いに大事なことを隠したまま、傍にはいられないわよ。」



「そう……だね。」

そうだった。私達に足りなかったのは、お互いをみせあう勇気だった。




「夏海……。私、陽輔が好き。晃太はこんな私を、許してくれるかな?」


「……『明衣。君は絶対、幸せになれるよ。』彼はそう明衣に言ったんでしょう?……なら、なりなさいよ。」


『明衣の幸せが、陽輔君の傍にいることなら。文句は言わないわ、きっと。』

夏海はそういって微笑んだ。
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