Only





美月は、昔、俺の恋人だった。
俺が傷つけ、一方的に切り捨てた存在。あの時の俺は自分しかみえてなかった。そうするしかないこともまた、確かだった。


「陽……ちゃん。」

「もう……そんな風に呼ぶなといっただろう。」

俺がそういうと彼女は顔を曇らせ、俯いた。



……どうして、そんな顔するんだ。もう俺に何も期待などするな。




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