Only
そして俺は結局サユを選んだ。

美月も、友人も、過去も、未来さえも、俺は捨てた。

それら全てを犠牲にしても、いいと思った。



『どっちも絶対助ける。』

なんて浅はかだったんだろう。







「美月。もう、会わない。見かけても、話しかけないでくれ。」

「!!陽ちゃ・・・・・・。」

せめて、『二つ』守りたかった。
そうしたら、美月を守れたから?




違う。
本当に守りたかったのは、もう一つ、手放したくなかったのは。

手放したくないものができたのは



最近のことで。




・・・・・・『明衣』だった。

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