Only
「ねぇ、ところで、こないだ一緒に車内にいた人はどうしたの?彼も一緒にっていう条件だったでしょう?」

と、いきなり夏海が強い口調で隣の男に詰め寄っていた。

「あ~……多分、もう少しで、くるはずだよ?」

夏海の隣の男……確か、沢木君と名乗っていた気がする彼がそう答えた。
どうやら、もう一人は遅れてくるらしい。



―こなくてもいいのに。―
内心そう思いつつ、『ごめん、お手洗い。』と夏海に言って席を外した。



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