Only
足がその場に凍りついてしまった。私の目がとらえていたのは、思い描いていた影だったから。
そして、その影も動かなくなった。それはきっと、自分の思い上がりでなければ、私と同じ理由。
影に捉われた自分の目が、影の持ち主に向かっていき、視線が相手と交わる。
「…………っ!」
言葉は、何も発っせなくて、ただ走ってしまった。
彼のもとに。
だって、陽輔があの漆黒の瞳に、光を宿してこちらをみていたから。