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「陽輔……。」


ようやく吐き出した言葉は思った以上に弱々しかった。でも彼は、『聞こえている』と告げるかのように腕の力を強めた。




「明衣……めい。」

彼にやわらかく名前を呼ばれることで、夢のように感じた陽輔の姿が本物だと実感した。



私は、彼に名前を呼ばれることによって、自分の存在意義をも感じれる気がした。


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