Only





「……陽輔。」

『愛してる』って伝えるように、そっと呟いた、彼の名前。
その名が部屋に切なく響いた。でも、寂しくない。

だって、その声を聞き、微笑んでくれる人がいるから。



「……なんだ?」

優しい顔が意地悪な表情に変わる。
そんな顔をするってことは、わかっているくせに。


「……ううん。」

なんだか恥ずかしくなって、陽輔の胸に顔を埋めた。



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