Only


「あの、Kuroyumeならここですよ?」

私が彼に声をかけると、彼は振り向いた。




『っっ!』



彼を知っていたわけではない。けれど、何か。



私は、彼に何かを感じた。

彼の目はどこか冷たかった。
瞳は、これ以上ないほどの『漆黒』。





「……場所はわかった。すぐ行く。」

彼は電話の相手にそれだけ告げて電話を切った。


私はなぜか、この人のもつ雰囲気に飲まれて呆然としてしまっていた。
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