Only
『明衣。』

晃太の瞳に見つめられると、嘘はつけない気がした。


晃太は、いつも、いつまでも、真っ直ぐだった。


『明衣ちゃんか。さっきもいったけど、君をこの家に閉じ込めようなんて思ってないよ。ただ、行き場がないなら、ここを家だと思って、ゆっくりしてほしい。』

『どうして、私を拾ったの?』

私は気になっていたことを聞いた。
なぜ、こんな、何もない子に世話をやくのだろうか?

『……君に、消えてほしくないと思ったから。』

晃太は、優しい瞳で呟いた。



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