Only




『明衣!早く早く!』

『晃太……待って、よ。』

晃太と初めて二人で出かけた、ある水曜日。私は生まれて初めて遊園地にきていた。

周りを見れば、笑顔の人々。そこには苦しみも、悲しみも、孤独も感じられない。

私は自分が今この場所にいることが場違いな気さえしていた。



その場所は幸せの象徴な気がしたから。だから当然、私には縁のない場所だと。



そう思っていた。
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