Only
「過去には戻れない。それなら、俺は、今のあいつを笑顔にすることを考えないといけない。だから、岬。お前があいつを傷つけるつもりなら、容赦はしない。」

『陽輔、知ってたのか。あの男が彼女の恋人だったこと。』

「……。」

『ふーん…。なんだ。もっと驚かせられると思ったのに。残念。まぁいいや。今のところ、そっとしといてあげるよ。陽輔君が怒ると恐いからねー。』

「岬…。お前、一体、何をたくらんでる?」

『別に。じゃぁ、またね。よーすけ。』

電話は一方的に切られた。

岬が俺達の関係に気付いているとは。
なんだかとても嫌な予感がする。



明衣に、これからどんな危険が及ぶか。
あの岬だ。このまま黙っているとは思えない。
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