Only
「だったら……アリパイを疑うしかないよな。」

柴崎はそういって、一枚の資料を私に渡した。
「……そうね。でもそれが、一番の難所。」

資料には、武山岬が事件発生時に別の場所にいたという複数のアリバイ証言が記載されていた。

「武山を犯人とするのなら、この『完璧な』アリバイを崩さなきゃならない。」


そう、この証言こそが武山が容疑者から外れた原因。
きっと武山はこのアリバイが崩れることがないと確信しているのだろう。
< 178 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop