Only
「今日は焼酎ロックじゃなくていいんだよね?」

なんだかおかしくて、クスクス笑いながら、私は上機嫌にお茶を入れる。

「あぁ。話があるって、言っただろう?」

陽輔は淡々と答える。いきなり性格ががらりと変わるわけはないのだけれど、やっぱり無愛想だと感じる。

-……陽輔も、子供の頃とかは無邪気に遊んで、笑っていたのかな?
そういえば、妹の小百合さんに会ったことはあるけれどご両親の話は聞いたことがないな。-
聞いてみようかとも思ったけれど、今聞く話ではない気がして、私はお茶を陽輔の前に出した。

「ありがとう。」

陽輔がお茶を一口飲み、息をつく。そのあとで、私は尋ねた。

「それで、話って?」

「……明衣。お前、昔の恋人の事件、捜査しているんだろう?」

「……うん。」

私はそう答えたが、気分は落ち込んでいった。もし、陽輔がこのことを嫌がったらどうしようかと思ったからだ。

しかし、陽輔の口から次に発せられたのは予想外の言葉だった。


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