Only
彼は私の手を振り払わなかった。でも、戸惑っていた。彼のこんな姿を私は見たことがなかった。



「俺が……お前を突き放すことは出来ないんだよ。お前は……俺が初めて興味をもった人間なんだから。」



そんなことを言われたから、とまらなくなった。
私は彼にキスをした。

一度キスをして、目が合うとまたしたくなる。


女でも欲情することがあるのだと初めて知った。
彼はそれ位、色気があって、魅力があった。





「明衣……。」

自分の名前さえも特別な気がした。
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