Only





晃太が死んで、何も見えなくなった。何も考えなかった。


たった一つしかないと思っていた。今すぐ晃太に会う方法は。


気が付けば、私は病院のベッドにいて、目覚めた私の頬を思いっきりひっぱたいたのは夏海だった。





『バカ!……バカ!ば…………か……。』

夏海に叩かれて放心状態だった私に、泣きながら何度も何度もそう繰り返していた。



まだ、私には夏海がいたのだと、知ったから。死は、正しく思えなかった。
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