Only
刑事……明衣は、刑事なのか。

「お兄ちゃん、もしかして、知らなかったの?」

サユが俺の顔を覗き、そういった。俺は今、動揺を隠しきれていないのだろう。

俺は頷いた。



「夏海のことは知っていたけど。」


俺の数少ない友人、沢木の運転する車にのっていた時、スピード違反で止められたのが夏海だった。



『なんとか見逃して!』

『そんなのダメに決まってるじゃない!……といいたいけど~。』

俺をみて微笑んだ夏海のだした無罪放免の条件が、あの、俺と明衣が出会った合コンだったのだ。
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