婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
 私たち三人は、オレリーの話は嘘だと知っていた。

 けれど、オレリー自身がそう申告するのなら、そうだと信じる人も多いだろうともわかっていた。

「そんな訳で……お前たちの結婚を、認める訳にはいかない。ミシェルだけではなくオレリーも傷物にされたとするならば、あの子が言っていた通りに、健康な姉よりも可能性の低い妹を嫁がせることになるだろう」

 それは、嘘だということはわかっているけれど、オレリーがそう主張している限り、お父様は私と彼の結婚を認めてはくれないだろう。

 私は隣のジュストを見たけれど、彼も流石にこの事態は予想してはいなかったのか、難しい表情をして考え込んでいた。







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