婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
06 本当の気持ち
こうして、私たちの間にある障害が何もかも取り払われたとして……落ち着いて考えてみると、私……ジュストのことが、好き。
身分違いだと思っていたから、知らない振りをしていたけど……私は彼のことが、好きだった。ずっと。
けど、ジュストに恋しても絶対にそれは叶わないって、思っていた。だから、好きではないと、これまで自分の心を誤魔化していた。
身分の差、定められた婚約者、貴族として課された義務。
私がここで頷いたなら、この恋がもし、叶うとしたら……私は、頷きたい。
うん。そうよ。
何度か深呼吸をして覚悟を決めて、ジュストが待つ後ろへ振り向いた。
「……お父様は……怒らないかしら?」
薄暗い光が差し込み埃舞う室内で、ジュストはいつも通り、飄々とした態度を崩さない。
護衛騎士ジュスト・リュシオール。十年ほど私の一番近くに居て、ずっと守っていてくれた人。
身分違いだと思っていたから、知らない振りをしていたけど……私は彼のことが、好きだった。ずっと。
けど、ジュストに恋しても絶対にそれは叶わないって、思っていた。だから、好きではないと、これまで自分の心を誤魔化していた。
身分の差、定められた婚約者、貴族として課された義務。
私がここで頷いたなら、この恋がもし、叶うとしたら……私は、頷きたい。
うん。そうよ。
何度か深呼吸をして覚悟を決めて、ジュストが待つ後ろへ振り向いた。
「……お父様は……怒らないかしら?」
薄暗い光が差し込み埃舞う室内で、ジュストはいつも通り、飄々とした態度を崩さない。
護衛騎士ジュスト・リュシオール。十年ほど私の一番近くに居て、ずっと守っていてくれた人。