婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
彼にこう言われていては、私だって、ここで否定することはおかしいと思っている。さっき好きだと認めたばかりだというのに。
けれど、今までが今までだから、彼への恋心を否定することが当たり前になっていた。
……どうしよう。さっきは勢いで好きだと言えたけど、今は何故だか難しい。難しいというか、恥ずかしいわ。
「はいはい。大丈夫ですよ。僕がお嬢様のお気持ちをわかっているんだから、何も言わなくても良いんですよ。ミシェルお嬢様」
ジュストは黙り込んだ私の顔を覗き込み、手を握るとその後は窓の風景を見ることにしたようだった。
何でだろう。今では、私たち二人の間には、何の障害もないはずだ。
ラザール様はオレリーとの婚約を望んでいるのだから、私がジュストと結婚したいと言い出しても、渡りに船と飛びつくはず。
お父様だって一時は怒ってしまうかも知れないけれど、私が彼と結婚したいと望めば、未来の伯爵となるジュストを認めざるを得ないだろう。
どうしてだろう。どうしても……なんだか不安な気持ちが消せない。
直行で王都へと向かう馬車を急がせて、私たちは次の日の夜にはサラクラン伯爵邸へと帰ることが出来た。
けれど、今までが今までだから、彼への恋心を否定することが当たり前になっていた。
……どうしよう。さっきは勢いで好きだと言えたけど、今は何故だか難しい。難しいというか、恥ずかしいわ。
「はいはい。大丈夫ですよ。僕がお嬢様のお気持ちをわかっているんだから、何も言わなくても良いんですよ。ミシェルお嬢様」
ジュストは黙り込んだ私の顔を覗き込み、手を握るとその後は窓の風景を見ることにしたようだった。
何でだろう。今では、私たち二人の間には、何の障害もないはずだ。
ラザール様はオレリーとの婚約を望んでいるのだから、私がジュストと結婚したいと言い出しても、渡りに船と飛びつくはず。
お父様だって一時は怒ってしまうかも知れないけれど、私が彼と結婚したいと望めば、未来の伯爵となるジュストを認めざるを得ないだろう。
どうしてだろう。どうしても……なんだか不安な気持ちが消せない。
直行で王都へと向かう馬車を急がせて、私たちは次の日の夜にはサラクラン伯爵邸へと帰ることが出来た。