婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
何度かこれを伝えに来たけれど、私が頑として受け付けないものだから、オレリーの方も絶対に折れないと意地になってしまっている。
私だってこればかりは、可愛い妹オレリーが望んでいるからと引く訳にもいかない。
そして……父もラザール様がオレリーと婚約したがったことは、流石に知らせていないようだ。
「知っているわよ……そこが、好きなのよ!」
ジュストが性格が悪いことなんて、付き合いの長い私なんて十年ほど前から、ずっと知っているのだ。
ジュストの場合、好きな女の子だから虐めたいなどという可愛いものではない。多分、困っていたりイライラしているところを見て彼にしかわからぬ視点で楽しんでいるから、タチが悪いと思う。
……そんな彼のことを、世界で一番好きだと思っている私も相当おかしいとは思うけど。
「お姉様……男の趣味が悪過ぎよ!」
それは否定出来ないかもしれないけど、妹に騒がれたくらいで、好きな人を好きでなくなる決意をする姉は居ないと思う。私だってそうよ。
私だってこればかりは、可愛い妹オレリーが望んでいるからと引く訳にもいかない。
そして……父もラザール様がオレリーと婚約したがったことは、流石に知らせていないようだ。
「知っているわよ……そこが、好きなのよ!」
ジュストが性格が悪いことなんて、付き合いの長い私なんて十年ほど前から、ずっと知っているのだ。
ジュストの場合、好きな女の子だから虐めたいなどという可愛いものではない。多分、困っていたりイライラしているところを見て彼にしかわからぬ視点で楽しんでいるから、タチが悪いと思う。
……そんな彼のことを、世界で一番好きだと思っている私も相当おかしいとは思うけど。
「お姉様……男の趣味が悪過ぎよ!」
それは否定出来ないかもしれないけど、妹に騒がれたくらいで、好きな人を好きでなくなる決意をする姉は居ないと思う。私だってそうよ。