婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
「……あれは、悪かった。僕もどうかしていたんだ。一時の気の迷いだ。同罪ということで、お互いに忘れよう」
ラザール様は思わぬところで自分の罪を明かされ、この場を収めるために、それを言うしかなかったのかもしれない。
けど、申し訳ないけど、そんな申し出はお断りよ。
「いえ。同じ罪ではなさそうです。私はラザール様が長く婚約していた私にはそれほど興味がないと知り、大きな衝撃を受け家出をしました。その先で、私の身も心も助けてくれたのは他ならぬ彼なのです」
「……どうかな。破滅を招く使者にならなければ良いが」
ラザール様はそれきり何を言っても黙ってしまった私に対し流石に居心地が悪かったのか、色々と言い訳しつつ帰って行った。
……同じことをしていると指摘されて、同罪だから忘れようって、どういうこと?
オレリーの一件から私の中で、どんどんラザール様が嫌いになってしまう……ううん。元々嫌いだったのかもしれない。婚約しているから、良い部分に目を向けて好きにならなければいけないと、そう思い込んでいただけで。
「……失礼します。ミシェルお嬢様、こちらをお預かりしています」
ラザール様は思わぬところで自分の罪を明かされ、この場を収めるために、それを言うしかなかったのかもしれない。
けど、申し訳ないけど、そんな申し出はお断りよ。
「いえ。同じ罪ではなさそうです。私はラザール様が長く婚約していた私にはそれほど興味がないと知り、大きな衝撃を受け家出をしました。その先で、私の身も心も助けてくれたのは他ならぬ彼なのです」
「……どうかな。破滅を招く使者にならなければ良いが」
ラザール様はそれきり何を言っても黙ってしまった私に対し流石に居心地が悪かったのか、色々と言い訳しつつ帰って行った。
……同じことをしていると指摘されて、同罪だから忘れようって、どういうこと?
オレリーの一件から私の中で、どんどんラザール様が嫌いになってしまう……ううん。元々嫌いだったのかもしれない。婚約しているから、良い部分に目を向けて好きにならなければいけないと、そう思い込んでいただけで。
「……失礼します。ミシェルお嬢様、こちらをお預かりしています」