婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
礼儀作法通り見送りをして自室に帰ろうとした私を呼び止めた茶色い髪の背の高い従者は、確かラザール様の従者のザカリーだった。メイドたちにも人気のある男性だったと思う。
確かにこうして近くで良く見ると、顔が整っている男性だった。
「……ああ。ありがとう」
ラザール様。あれを反省して謝罪の手紙でもくれたのかしら。面倒だけど礼儀として、返事は返さなくては。子どもっぽい真似は、私の評判を落としてしまうもの。
そう思って手紙を何気なく開くと、署名にジュストの名前があって、私は慌ててそれを閉じた。
立ち去ろうとしていたザカリーは、差出人に気が付いている私を見て、不敵に微笑んだ。
どうして、ラザール様の従者ザカリーが、ジュストからの手紙を持っているの……? 私はドキドキしながら素知らぬ顔をして自室へと早足で急いだ。
確かにこうして近くで良く見ると、顔が整っている男性だった。
「……ああ。ありがとう」
ラザール様。あれを反省して謝罪の手紙でもくれたのかしら。面倒だけど礼儀として、返事は返さなくては。子どもっぽい真似は、私の評判を落としてしまうもの。
そう思って手紙を何気なく開くと、署名にジュストの名前があって、私は慌ててそれを閉じた。
立ち去ろうとしていたザカリーは、差出人に気が付いている私を見て、不敵に微笑んだ。
どうして、ラザール様の従者ザカリーが、ジュストからの手紙を持っているの……? 私はドキドキしながら素知らぬ顔をして自室へと早足で急いだ。