婚約破棄したいのに、天才華道家の独占愛に火を付けてしまったようです。

決意する菜の花



「今回私が企画したのは、推しカラープランです。昨今の推し活ブームで推しの色だけで揃えたい方、インテリアの雰囲気に合わせて色を統一したい方などいらっしゃると思います。そこで花は様々ですが、指定した色の花だけが届くというサブスクプランを考えました。もちろん途中で色を変更したい場合はすぐに変更が可能です」
「確かに色に関する要望は多いからな。よし、その方向性でいってみるか」
「! はい、ありがとうございます!」


 自分の企画が採用された時程嬉しいことはない。
 春海(はるみ)菜花(なのか)は内心でガッツポーズをしていた。

 企画会議終了後、早速プランの具体案作成に取りかかる。
 既にいくつか考えてはあったが、草案なのでここから具体的に詰めていく。色のバリエーションは多ければ多い程喜ばれるだろう。

 菜花は気合いを入れるため、肩までかかるセミロングヘアをポニーテールに結いた。
 ちょっとしたスイッチの切り替えになるのだ。


(それにしても自分の企画が採用されるって、こんなに嬉しいんだ)


 新規事業の立ち上げが決まり、そのチームに配属が決まった時はどうなることかと不安もあった。
 でも配属されて一年、ようやくここまで来れたという感覚がある。

< 2 / 153 >

この作品をシェア

pagetop