一途な溺愛が止まりません?!〜双子の姉妹は双子の兄弟にとろとろに愛されてます〜
27、新しい命
ある日新しい国の統治に忙しくしているころ、デーアが吐き気を催す。妊娠が分かり、その時のヴァイスハイトの喜びようは本当に本人かと疑うほどハイテンションで、デーアは夫がこんなにも喜んでくれることを嬉しく思った。
「あ! 今蹴ったよ!」
「ふふ、元気だから男の子かしら?」
姉のお腹を触り、アンジュは新しい命に触れて目をキラキラとさせる。デーアは元気よくお腹を蹴る我が子を見て微笑んだ。
「いいなぁ。私も早く欲しいなぁ」
「子供は授かりものだからね。でもいつかきっと出来ると思うよ。だってこんなに毎晩愛し合ってるんだから、できないわけがないよ!」
少ししゅんとなるアンジュをゲニーが励ます。
そしてデーアは元気な男の子を出産した。自分の力で人生を選択して欲しいとの願いを込めて、名前はヴァールと名付ける。
ゲニーとアンジュは自身の子が居ないので、ヴァールを我が子のように可愛がった。ヴァールは四人の愛情を受けすくすくと育つ。利発で物分りがよく、魔法の才能にも恵まれ、最近始めた剣術でも子供特有の身軽な体を使い、城仕えの騎士たちに勝つこともある程強い。ゲニーもアンジュとの間に子供が産まれなかったらヴァールに王位を継承することを考えはじめる。
一方アンジュは子供を産めないことに対して少し罪悪感を感じていた。
「ねぇ。ゲニーが良ければ……側妃を迎えて欲しいの。この国の王であるゲニーの正妃として、子を成せないのは問題だわ。私のことは気にしなくていいから」
アンジュの突然の提案にゲニーは目を白黒させた。そして困ったようにおもむろに口を開く。
「何を言い出すかと思ったら……。ならヴィーとデーアの子であるヴァールを立太子すればいいじゃないか。確かにあの子は僕たちの子供ではないけど、王族なのには変わりないし」
「そうよ! デーアがいたわ! 私とデーアは双子だし、側妃としても申し分ない……! デーアにならゲニーの子を産んでもらっても我慢出来……出来……で、できないよぉ〜!」
ゲニーの話を全然聞かず、血迷った発言をするアンジュは涙を浮かべながら愛しの夫にすがりついた。
「あはは! アンジュ可愛いなぁ。ならそんなこと言わなきゃいいのに。それに仮に側妃を立ててもデーアと子作りしようとしても無駄だと思うよ? だって僕はアンジュ以外には勃起たないから」
照れながらゲニーは爆弾発言をした。
「前に家臣がヴィーと僕に女性を寄越したんだ。ところが僕達は興奮すらしなくて家臣に不能かと心配されてね。毎日妻と致してるって言ったんだけどなかなか信じて貰えなかったよ。しかも子供が出来ない僕に対してデーアなら双子だし勃起つんじゃないかとせめて想像だけでもしろと言われて渋々したけど全くダメだった。ちなみに想像でも許さないとヴィーに殺されそうになったから代わりにアンジュで想像してみろと言ってさせてみたけど、直ぐに苦虫を噛み潰したような顔をしてたからヴィーも多分デーア以外無理だな」
ゲニーはあははと笑い、アンジュに優しくキスをする。
「僕の精は君にしかあげられないよ。子供なんて出来なくてもいいよ。君が息災ならそれでいいんだから」
そう言われたアンジュはまるで子供のように声を上げて泣いた。ゲニーはポンポンとアンジュの頭を撫で、泣き止むまでずっと抱きしめる。
アンジュがプレッシャーを感じなくなり、二ヶ月が過ぎた頃、吐き気を催した。ピンと来たデーアが生理の有無をアンジュに聞くと遅れてると答える。すぐ医師に見せると見事懐妊と言われ、デーアは慌ててゲニーたちへ知らせに行った。丁度国家会議中だったゲニーたちを緊急と呼び寄せたデーアは二人を連れてアンジュが待つゲニーたち夫婦の寝室へ向かう。
「アンジュ! 何かあったの?! あのデーアが慌てて息を切らしてやってきたんだ!」
何かあったのかと寝室に飛び込んできたゲニーはベットの上で上半身を起こしていたアンジュに駆け寄る。
「ふふ、廊下を走るなんてデーアらしくないね。でも急いで知らせてくれてありがとうね」
「何があったんだ?」
連れてこられたヴァイスハイトも不思議がりアンジュに声をかける。
「あのね。出来たみたいなの」
「は?」
ゲニーは何のことか分からず、首を傾げる。
「だから、赤ちゃんが出来たの! ゲニーの赤ちゃん妊娠したの!」
「本当か?! アンジュ……ありがとう! あ〜、やばい。嬉し過ぎる……」
目に涙を浮かべ今にも泣き出しそうな愛しの夫を見て、ゲニーの頭を抱き抱えた。豊満なアンジュの胸に抱かれ、ゲニーはついうっとりする。
「もう。お父さんになるんだから、泣かないの」
「泣いてないし」
「そう? 私の勘違いだったかしら?」
アンジュがくすくすと笑い、ヴァイスハイトはそこに遅れて現れたヴァールにアンジュが妊娠したことを伝えた。
数ヶ月が経ち、段々とお腹の張りが目立っていくアンジュの側にはよくヴァールが居て、大きくなっていくお腹を触る。
「僕の弟か妹がやってくるのですね」
ヴァールはキラキラとした目でアンジュの膨れたお腹を見て撫でた。
無事アンジュは出産し、元気な女の子が産まれる。王女という意味である、プリンツェッスィンと名付けた。
今日も中立国家フリーデン王国には双子夫婦とその子供たちの笑い声が絶えないのだった。
「あ! 今蹴ったよ!」
「ふふ、元気だから男の子かしら?」
姉のお腹を触り、アンジュは新しい命に触れて目をキラキラとさせる。デーアは元気よくお腹を蹴る我が子を見て微笑んだ。
「いいなぁ。私も早く欲しいなぁ」
「子供は授かりものだからね。でもいつかきっと出来ると思うよ。だってこんなに毎晩愛し合ってるんだから、できないわけがないよ!」
少ししゅんとなるアンジュをゲニーが励ます。
そしてデーアは元気な男の子を出産した。自分の力で人生を選択して欲しいとの願いを込めて、名前はヴァールと名付ける。
ゲニーとアンジュは自身の子が居ないので、ヴァールを我が子のように可愛がった。ヴァールは四人の愛情を受けすくすくと育つ。利発で物分りがよく、魔法の才能にも恵まれ、最近始めた剣術でも子供特有の身軽な体を使い、城仕えの騎士たちに勝つこともある程強い。ゲニーもアンジュとの間に子供が産まれなかったらヴァールに王位を継承することを考えはじめる。
一方アンジュは子供を産めないことに対して少し罪悪感を感じていた。
「ねぇ。ゲニーが良ければ……側妃を迎えて欲しいの。この国の王であるゲニーの正妃として、子を成せないのは問題だわ。私のことは気にしなくていいから」
アンジュの突然の提案にゲニーは目を白黒させた。そして困ったようにおもむろに口を開く。
「何を言い出すかと思ったら……。ならヴィーとデーアの子であるヴァールを立太子すればいいじゃないか。確かにあの子は僕たちの子供ではないけど、王族なのには変わりないし」
「そうよ! デーアがいたわ! 私とデーアは双子だし、側妃としても申し分ない……! デーアにならゲニーの子を産んでもらっても我慢出来……出来……で、できないよぉ〜!」
ゲニーの話を全然聞かず、血迷った発言をするアンジュは涙を浮かべながら愛しの夫にすがりついた。
「あはは! アンジュ可愛いなぁ。ならそんなこと言わなきゃいいのに。それに仮に側妃を立ててもデーアと子作りしようとしても無駄だと思うよ? だって僕はアンジュ以外には勃起たないから」
照れながらゲニーは爆弾発言をした。
「前に家臣がヴィーと僕に女性を寄越したんだ。ところが僕達は興奮すらしなくて家臣に不能かと心配されてね。毎日妻と致してるって言ったんだけどなかなか信じて貰えなかったよ。しかも子供が出来ない僕に対してデーアなら双子だし勃起つんじゃないかとせめて想像だけでもしろと言われて渋々したけど全くダメだった。ちなみに想像でも許さないとヴィーに殺されそうになったから代わりにアンジュで想像してみろと言ってさせてみたけど、直ぐに苦虫を噛み潰したような顔をしてたからヴィーも多分デーア以外無理だな」
ゲニーはあははと笑い、アンジュに優しくキスをする。
「僕の精は君にしかあげられないよ。子供なんて出来なくてもいいよ。君が息災ならそれでいいんだから」
そう言われたアンジュはまるで子供のように声を上げて泣いた。ゲニーはポンポンとアンジュの頭を撫で、泣き止むまでずっと抱きしめる。
アンジュがプレッシャーを感じなくなり、二ヶ月が過ぎた頃、吐き気を催した。ピンと来たデーアが生理の有無をアンジュに聞くと遅れてると答える。すぐ医師に見せると見事懐妊と言われ、デーアは慌ててゲニーたちへ知らせに行った。丁度国家会議中だったゲニーたちを緊急と呼び寄せたデーアは二人を連れてアンジュが待つゲニーたち夫婦の寝室へ向かう。
「アンジュ! 何かあったの?! あのデーアが慌てて息を切らしてやってきたんだ!」
何かあったのかと寝室に飛び込んできたゲニーはベットの上で上半身を起こしていたアンジュに駆け寄る。
「ふふ、廊下を走るなんてデーアらしくないね。でも急いで知らせてくれてありがとうね」
「何があったんだ?」
連れてこられたヴァイスハイトも不思議がりアンジュに声をかける。
「あのね。出来たみたいなの」
「は?」
ゲニーは何のことか分からず、首を傾げる。
「だから、赤ちゃんが出来たの! ゲニーの赤ちゃん妊娠したの!」
「本当か?! アンジュ……ありがとう! あ〜、やばい。嬉し過ぎる……」
目に涙を浮かべ今にも泣き出しそうな愛しの夫を見て、ゲニーの頭を抱き抱えた。豊満なアンジュの胸に抱かれ、ゲニーはついうっとりする。
「もう。お父さんになるんだから、泣かないの」
「泣いてないし」
「そう? 私の勘違いだったかしら?」
アンジュがくすくすと笑い、ヴァイスハイトはそこに遅れて現れたヴァールにアンジュが妊娠したことを伝えた。
数ヶ月が経ち、段々とお腹の張りが目立っていくアンジュの側にはよくヴァールが居て、大きくなっていくお腹を触る。
「僕の弟か妹がやってくるのですね」
ヴァールはキラキラとした目でアンジュの膨れたお腹を見て撫でた。
無事アンジュは出産し、元気な女の子が産まれる。王女という意味である、プリンツェッスィンと名付けた。
今日も中立国家フリーデン王国には双子夫婦とその子供たちの笑い声が絶えないのだった。