一途な溺愛が止まりません?!〜双子の姉妹は双子の兄弟にとろとろに愛されてます〜
4、一つ屋根の下
ストンと転移先に降り立った四人が居たのは白に金のラインを基調とした家具が揃う部屋で、デーアとアンジュの私室より少し広かった。
「ここは……?」
「どこ……?」
困惑し周囲をきょろきょろと見回すデーアとアンジュは、まだなお二人を抱えるヴァイスハイトとゲニーに問う。
「俺達の部屋だ」
「双子だからって理由で小さい頃から同じ部屋なんだよ。まあ寝室は流石に別れてるけど」
この国では双子は女神の慈しみ子であるという伝承がある。その子達を守るための結界を貼り強化にするためにも一箇所にいる方が安全だからだ。デーアとアンジュも同じくの理由で小さい頃から同室である。
「!! ってか降ろしてよ!」
慌ててそう言うアンジュをゲニーはじっと見つめる。そして諦めたように地面にそっと下ろした。同じくデーアもヴァイスハイトに下ろされ、テーブルを挟んで向かい合うソファーにアンジュと並んで座らせられる。
「メイドを呼んでくるから待ってろ」
「流石にいつまでもその格好は目のやり場に困る」
ヴァイスハイトはメイドを手早く手配した。ゲニーは少し頬を赤く染めている。ヴァイスハイトも平常心を装ってるが、耳が赤い。
自分達が今どんな格好をしてるのか気付いた二人は大人しくメイドに隣の書斎へ連れられ、用意された下着と服を着た。下着のサイズがピッタリなのには不審がったが、それしかないので着るしかない。大人しくデーアは水色、アンジュはピンク色の下着を着る。そしてデーアは群青色の生地に星を散りばめたような柄の、アンジュは裾に向かってピンクから赤のグラデーションになってる花柄のワンビースを着た。
よく似合ってるよとそれぞれの想い人に言われどう反応したらいいか分からないデーアとアンジュは誘導されるがままにソファーへ腰掛ける。
「ところで話は戻るが、君達には聞きたいことがいくつかある」
向かい合ったソファーに並んで腰を下ろしたヴァイスハイトとゲニーに見つめられ、そうヴァイスハイトに問われた。
「何故君達は狙われた? ゴルト王子とシュタールとは仲が良かったのか?」
ゲニーが訝しげに聞いてくる。
「うんん。ゴルト王子とは少し話をしたことがある程度だし、シュタール様にいたってはあの時初めて話したよ」
何故襲われたか検討もつかないとアンジュは訴えた。
「ヴァイスハイト様とゲニー様は何か心当たりでも?」
「ゲニーはバカだけどヴァイスハイト様なら何か知ってますよね?!」
何か知ってるのではとデーアは二人に問い、助けてくれたゲニーに対して失礼な発言をする妹の頬を軽く引っ張り窘める。
「様は要らない。あとヴィーでいい」
ヴァイスハイトは家族にだけ許してる愛称の許可を出した。
「色々言われたが僕はなにか突っ込んだ方がいいのか? アンジュにいたっては最初から敬称付きじゃないんだけど。ま、僕も様はいらないから」
ゲニーは呆れた顔をする。
「じゃあ改めて。ヴィーとゲニーは何か知ってる?」
「いや、なんでそれで知ってるになるんだ。知ってたらそもそもこんなことを聞かない」
ヴァイスハイトに諭され、それもそうだと質問したデーアは納得した。
「襲われた理由は分からないにしても、その指輪は外さないとな。ゲニー、なんか分かりそうか?」
「ん〜。解析魔法使っても、阻害魔法がかかってるからどうすれば解けるかが分からない。でもこの阻害魔法の術式を分析して解除魔法を作れれば多分大丈夫じゃね?」
「魔法を作る?! まぁ、ゲニーそんなことができるの? 魔法の才があるってヴィーが前に言ってた通りなのね」
この国では魔法を使える人は沢山いるが、自分の手で魔法を作れる人はそういない。
「魔法以外は何にもできない魔法バカだけどね」
「おいアンジュ、さっきからバカって単語言い過ぎじゃねぇの」
「あら、筆記試験で私に勝てたことないじゃない」
口喧嘩を始めたゲニーとアンジュを見てデーアはくすくすと笑う。つられてヴァイスハイトも笑った。笑ってる二人に気付き、ゲニーとアンジュも笑い出す。緊張がほぐれたようにその場の空気は柔らかくなった。
その後話し合いの結果、危険から身を守る為と学校までの往復に転移魔法が使えないのは困るということを考慮して、ヴァイスハイトとゲニーの家であるアルメヒティヒ家に指輪が取れるまで暫定的にお世話になることとなった。
デーアとアンジュはその日の夕食に招待された。
「アルメヒティヒ侯爵様、侯爵夫人、この度はお世話になり本当にありがとうございます」
「ただで住まわせてもらおうとは思ってません。私達が出来ることはします。一使用人として働かせてください」
深々とこうべを垂れ、そう言うデーアとアンジュに対し、侯爵と侯爵夫人は困った顔をする。
「そんな事はさせられませんわ。大切なお嬢さんをお預かりするのです。それにあなた達はあの子達の……お嫁さ」
「母上。それは俺達から言うので」
母親である侯爵夫人の言葉をヴァイスハイトが遮った。
「まあまあ、お嬢さんたちの誠意を汲んであげるのも大切じゃないか」
侯爵は部屋の隅で待機していた家令に手で合図をする。
呼ばれた男はデーアとアンジュの側に立った。
「ハンスと申します。若奥……いえ、お嬢様方に僭越ながらお仕事を与えさせて頂きます。けして大変な仕事ではないので、ご不明な点がありましたらなんなりとお尋ねください」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたしますわ」
「至らぬ点がありますでしょうから、ご指導ください」
「ではこちらへ」
ハンスに連れられてデーアとアンジュは下がる。
「父上、アンジュ達に何させる気なの?」
ゲニーは父親を訝しげに見た。
「お前達にとってけして悪い話じゃないから」
侯爵は片目をつぶりウインクをする。
「嫌な予感しかしないわ」
そして侯爵夫人は何かを企む夫を見てため息をついた。
「ここは……?」
「どこ……?」
困惑し周囲をきょろきょろと見回すデーアとアンジュは、まだなお二人を抱えるヴァイスハイトとゲニーに問う。
「俺達の部屋だ」
「双子だからって理由で小さい頃から同じ部屋なんだよ。まあ寝室は流石に別れてるけど」
この国では双子は女神の慈しみ子であるという伝承がある。その子達を守るための結界を貼り強化にするためにも一箇所にいる方が安全だからだ。デーアとアンジュも同じくの理由で小さい頃から同室である。
「!! ってか降ろしてよ!」
慌ててそう言うアンジュをゲニーはじっと見つめる。そして諦めたように地面にそっと下ろした。同じくデーアもヴァイスハイトに下ろされ、テーブルを挟んで向かい合うソファーにアンジュと並んで座らせられる。
「メイドを呼んでくるから待ってろ」
「流石にいつまでもその格好は目のやり場に困る」
ヴァイスハイトはメイドを手早く手配した。ゲニーは少し頬を赤く染めている。ヴァイスハイトも平常心を装ってるが、耳が赤い。
自分達が今どんな格好をしてるのか気付いた二人は大人しくメイドに隣の書斎へ連れられ、用意された下着と服を着た。下着のサイズがピッタリなのには不審がったが、それしかないので着るしかない。大人しくデーアは水色、アンジュはピンク色の下着を着る。そしてデーアは群青色の生地に星を散りばめたような柄の、アンジュは裾に向かってピンクから赤のグラデーションになってる花柄のワンビースを着た。
よく似合ってるよとそれぞれの想い人に言われどう反応したらいいか分からないデーアとアンジュは誘導されるがままにソファーへ腰掛ける。
「ところで話は戻るが、君達には聞きたいことがいくつかある」
向かい合ったソファーに並んで腰を下ろしたヴァイスハイトとゲニーに見つめられ、そうヴァイスハイトに問われた。
「何故君達は狙われた? ゴルト王子とシュタールとは仲が良かったのか?」
ゲニーが訝しげに聞いてくる。
「うんん。ゴルト王子とは少し話をしたことがある程度だし、シュタール様にいたってはあの時初めて話したよ」
何故襲われたか検討もつかないとアンジュは訴えた。
「ヴァイスハイト様とゲニー様は何か心当たりでも?」
「ゲニーはバカだけどヴァイスハイト様なら何か知ってますよね?!」
何か知ってるのではとデーアは二人に問い、助けてくれたゲニーに対して失礼な発言をする妹の頬を軽く引っ張り窘める。
「様は要らない。あとヴィーでいい」
ヴァイスハイトは家族にだけ許してる愛称の許可を出した。
「色々言われたが僕はなにか突っ込んだ方がいいのか? アンジュにいたっては最初から敬称付きじゃないんだけど。ま、僕も様はいらないから」
ゲニーは呆れた顔をする。
「じゃあ改めて。ヴィーとゲニーは何か知ってる?」
「いや、なんでそれで知ってるになるんだ。知ってたらそもそもこんなことを聞かない」
ヴァイスハイトに諭され、それもそうだと質問したデーアは納得した。
「襲われた理由は分からないにしても、その指輪は外さないとな。ゲニー、なんか分かりそうか?」
「ん〜。解析魔法使っても、阻害魔法がかかってるからどうすれば解けるかが分からない。でもこの阻害魔法の術式を分析して解除魔法を作れれば多分大丈夫じゃね?」
「魔法を作る?! まぁ、ゲニーそんなことができるの? 魔法の才があるってヴィーが前に言ってた通りなのね」
この国では魔法を使える人は沢山いるが、自分の手で魔法を作れる人はそういない。
「魔法以外は何にもできない魔法バカだけどね」
「おいアンジュ、さっきからバカって単語言い過ぎじゃねぇの」
「あら、筆記試験で私に勝てたことないじゃない」
口喧嘩を始めたゲニーとアンジュを見てデーアはくすくすと笑う。つられてヴァイスハイトも笑った。笑ってる二人に気付き、ゲニーとアンジュも笑い出す。緊張がほぐれたようにその場の空気は柔らかくなった。
その後話し合いの結果、危険から身を守る為と学校までの往復に転移魔法が使えないのは困るということを考慮して、ヴァイスハイトとゲニーの家であるアルメヒティヒ家に指輪が取れるまで暫定的にお世話になることとなった。
デーアとアンジュはその日の夕食に招待された。
「アルメヒティヒ侯爵様、侯爵夫人、この度はお世話になり本当にありがとうございます」
「ただで住まわせてもらおうとは思ってません。私達が出来ることはします。一使用人として働かせてください」
深々とこうべを垂れ、そう言うデーアとアンジュに対し、侯爵と侯爵夫人は困った顔をする。
「そんな事はさせられませんわ。大切なお嬢さんをお預かりするのです。それにあなた達はあの子達の……お嫁さ」
「母上。それは俺達から言うので」
母親である侯爵夫人の言葉をヴァイスハイトが遮った。
「まあまあ、お嬢さんたちの誠意を汲んであげるのも大切じゃないか」
侯爵は部屋の隅で待機していた家令に手で合図をする。
呼ばれた男はデーアとアンジュの側に立った。
「ハンスと申します。若奥……いえ、お嬢様方に僭越ながらお仕事を与えさせて頂きます。けして大変な仕事ではないので、ご不明な点がありましたらなんなりとお尋ねください」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたしますわ」
「至らぬ点がありますでしょうから、ご指導ください」
「ではこちらへ」
ハンスに連れられてデーアとアンジュは下がる。
「父上、アンジュ達に何させる気なの?」
ゲニーは父親を訝しげに見た。
「お前達にとってけして悪い話じゃないから」
侯爵は片目をつぶりウインクをする。
「嫌な予感しかしないわ」
そして侯爵夫人は何かを企む夫を見てため息をついた。