幼馴染[短編]
 そんなキスの話なんて
 友達にできなくても
 当然だって思うから。


「あんただってくだらないことなんだから
ノーカウントにしたらいいじゃない。
互いに事故。それで解決でしょう?」

 そのとき、あたしの家に着く。

「じゃあね。バイバイ」

 最大限の嫌味を込めてそう言った。

「別にくだらないことなんて思ってないよ」

 思いがけない言葉だった。

 あたしは振り返る。

 宮田の顔が赤くなっていた。

 それは空を染めていく夕日のせいだと思った。

 そう思っているのに
 胸が高鳴っていく。

「だってそう言ったじゃない」
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