幼馴染[短編]
 あたしはドキドキしながら
 彼を見ていた。

 息苦しくなるくらい。

「じゃ、試していい? 
 本当にドキドキするかどうか」

 その言葉とともに、
 彼の手があたしの頬に触れる。

 その手がすごく熱くて。

 さっきとは比べ物にならないほど、
 胸が高鳴っていた。

「あたしのことを好きなら、いいよ」


 拒めるわけもない。

 彼の手が熱いから。

 その眼差しがあたしを見ていて
 あたしはまだ彼のことが好きだから。

 昔の無許可でされたキスとは
 少し違う
 一応の許可したキス。
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