オオカミ男子のニセ彼女⁉︎
こんなお姫様みたいなかわいくてきらびやかなドレスを、存在感の薄い地味顔の私が着てもいいのかなって感じだけど……せっかく月神くんのお母さんに贈ってもらったんだもの。



その好意は無下に出来ない。



まあ、それ以前に。私が月神くんのニセ彼女だという隠し事をしている罪悪感は残るけど……。



「ほら、車来たぞ」



月神くんに声をかけられてハッとすると、目の前に黒塗りの高級車が1台停まっていた。
「月神くんちって、お金持ちなの……⁉」



「まあ、一応親が社長だから」



知らなかった……。まあ、しきたりがあるぐらいだから、そうなんだろうなとはうすうす思っていたけどさ」



「ほら、乗るぞ」



「あっ、うん!」



私は月神くんにエスコートされるように、高級車に乗り込んだ。



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