オオカミ男子のニセ彼女⁉︎

「いや、えっと……」



「隠し事はもういいから。あんたが颯のニセ彼女で、本当は透明人間じゃなくてただの人間なのも、こっちはとっくに知ってんのよ」



「――っ⁉」



ものすごい勢いで、鈍器で頭を殴られた気分だ。



「何で？　私、そんなこと一言も灰瀬さんに言ってなっ――……」



「科野くんに講堂裏で言われたこと忘れてない？　あたし、耳がとってもいいの。それに、颯のことは何でも知っておきたいから」



「え……？」



「あたし、颯のことが好きなの。透山さんが颯のニセ彼女を演じる前からずっと前からね」



灰瀬さんのまっすぐな告白に、またしても衝撃を受けてしまう。