オオカミ男子のニセ彼女⁉︎
「僕はかまわないけど、本当に大丈夫?」



「大丈夫って……?」



「記憶に干渉する魔法はかなり高度で大がかりなんだ。もし、失敗して取り返しのつかないことになるかもしれないし、成功したらしたで、それと引き換えに代償を払うことになるかもしれないんだ。それでもいいなら、試してみる?」



「うん。大丈夫」



私はゴクリと唾を飲み込んで、大きく首を縦に振る。



覚悟はもう、とっくに出来ていた。



新しい中学はもう目星が付いてるし、どういう結果になろうが、転校前に月神くんの記憶がなくなれば別にいい。



大切な思い出を手放すのは悲しいけれど――、このままこの恋を引きずって、悲しみに暮れる思いはもう二度としたくなかったんだ。


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