オオカミ男子のニセ彼女⁉︎
「大丈夫だろ。いい匂いがするし、絶対うまいって」



そんな会話を繰り広げていると、背後から「あっ」と息を吞む声がした。



振り返るとそこにいたのは、これから女子寮を出ようとしている灰瀬さん。



何か言われるのかな……? とつい身構えてしまったその時。



「へえ、けっこうお似合いじゃん」



予想外の清々しい答えが返ってきて、私と颯くんは面食らってしまった。



「えっ……? あの……」



「おい、なんか変なもんでも食ったか……?」



「なわけないでしょ。遅刻するから、早く学校行きなさいよ」



灰瀬さんはそう言うと、どこか吹っ切れたような横顔で、颯爽と校舎の方へと歩いて行った。



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