積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
「はい、心の底から思っています……」
私は首をすくめた。
諒だったからまだ良かったものを、いや、本当は全然良くないけれど。行きずりの相手ではなかっただけ、まだマシだったという話でしかない。恋人でもなんでもない、兄とも慕っていたはずの幼馴染である諒と、私は体の関係を持ってしまったのだ。
これから先、諒とはどんな顔をして会えばいいのだろう。絶対に会わない関係だというならまだしも、そういうわけにはいかないだろう。私の従兄の凜と諒は親友同士、諒の妹の栞と私も親友同士、そしてさらに付け加えるのならば、実家の両親たちは仲の良いご近所同士。
こんなことになってしまって、どうしよう……。
私はベッドの上に正座して、諒の前にがばっと手をついて哀願した。
「諒ちゃん、今夜のことはお互いに過ちだった、夢だったということで、どうかなかったことにしてください。お願いだから全部忘れて下さいっ!」
「はぁ?」
諒は私の方へずいっと体を近づけた。
私は諒から離れるように体を引く。
「今、忘れてと言ったかな?……いいか、瑞月。最初からきっちり説明してやるから、よく聞けよ」
「な、なんでしょう……」
こんな言い方をする諒は初めてで、私はますます首をすくめて身構えた。
怖すぎるよ……。
私は首をすくめた。
諒だったからまだ良かったものを、いや、本当は全然良くないけれど。行きずりの相手ではなかっただけ、まだマシだったという話でしかない。恋人でもなんでもない、兄とも慕っていたはずの幼馴染である諒と、私は体の関係を持ってしまったのだ。
これから先、諒とはどんな顔をして会えばいいのだろう。絶対に会わない関係だというならまだしも、そういうわけにはいかないだろう。私の従兄の凜と諒は親友同士、諒の妹の栞と私も親友同士、そしてさらに付け加えるのならば、実家の両親たちは仲の良いご近所同士。
こんなことになってしまって、どうしよう……。
私はベッドの上に正座して、諒の前にがばっと手をついて哀願した。
「諒ちゃん、今夜のことはお互いに過ちだった、夢だったということで、どうかなかったことにしてください。お願いだから全部忘れて下さいっ!」
「はぁ?」
諒は私の方へずいっと体を近づけた。
私は諒から離れるように体を引く。
「今、忘れてと言ったかな?……いいか、瑞月。最初からきっちり説明してやるから、よく聞けよ」
「な、なんでしょう……」
こんな言い方をする諒は初めてで、私はますます首をすくめて身構えた。
怖すぎるよ……。