積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
「りょ、諒ちゃんっ」

驚いた私は体を引いて諒から逃げようとした。

しかし諒はそれを阻止するように、私の肩に顎を乗せた。

「なぁ、俺のこと嫌い?」

耳元で囁く。

「き、嫌いじゃないよ。諒ちゃんは昔から大好きなお兄ちゃんで……」

「俺とお前は本当の兄妹じゃない。親戚でもない。他人だよ」

諒はそんな言い方で、私の言葉をわざわざ否定する。それから不意に、私の首筋に唇を寄せた。

熱い吐息に撫でられて、私は思わず小さな声をもらした。

それを耳にした諒がしみじみとした口調でつぶやく。

「瑞月はもう、本当に大人になったんだな」

危ういような今の状況を一瞬忘れて、私は真面目に答える。

「大人って……だって、もう二十六だし」

「そうだな。香水が似合う大人の女だな」

そう言って諒は私を再び押し倒した。私の太腿辺りを自分の両脚で挟み込むようにしながら、その手をトレーナーの内側に入れて私の体に触れた。

その手つきに反応しそうになるのを堪えて、私は諒から逃げようともがく。

「諒ちゃん、やめて。それに、話はまだ終わっていないでしょ。私、恋人の役なんて引き受けないよ。だからもう帰る」

けれど、諒は無言で私の両手を捉えて頭の上で抑え込み、難なくトレーナーを取り払ってしまった。

「……あっ」

「まさか瑞月があんな風に男を襲ったりするなんて、夢にも思っていなかった。ほんと、驚いたよ」

私は諒をにらんだ。

「やっぱりそんなの嘘よ。私が諒ちゃんを襲うなんてこと、あるわけないもの」

「そう思っているのは自分だけだよ。しっかし、酒の力ってすごいよな」

くすくすと笑いながらも、今度は私の腰の辺りを手で探るようにしながら、スウェットパンツと一緒にショーツをはぎ取った。
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