積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
全身が痙攣しそうなほどの快感に、頭の中が真っ白になった。愛されて、これほどまでに乱れてしまったのは初めての経験だった。

互いに達した後も、諒はしばらく繋がったままで私をなかなか離さなかった。

ぐったりしている私の肩を、諒がそっと撫でる。

「シャワー浴びてくるか?」

すでに抵抗も文句を言う気力もなくなっていた私は、のろのろと頷く。

「うん……」

「部屋着はさっきのでいいか」

「うん……」

ようやく諒から解放されて、私は彼の部屋着とタオルを抱えて浴室へ向かった。

次の日が休みで良かったと思いながら、シャワーを使う。次々と降って来る雫を浴びながら、私は自己嫌悪に陥っていた。

そもそもは自分の飲み過ぎが原因だが、どうして諒と寝てしまったのだろう。今さらなのは分かっているが、後悔しかない。 

そしてどうして彼に抱かれて、あんなにも気持ちよさを感じてしまったのだろう。相手が、兄のようにも思っていた諒だったから?そこに一種の背徳感のようなものを感じてしまったから?イケナイことでもしているように思えたせいで、かえってあんなにも乱れてしまったのだろうか。自分のその時の痴態が思い出されて、あまりの恥ずかしさに大声でわめきたくなった。

それに、だ。どうして私を止めてくれなかったのかと、諒を責めたくなった。彼は私のことを妹のように思っていたはずなのに……。

けれど、二度と諒に会いたくないとは思わなかった。嫌いだという気持ちにもならなかった。それよりもむしろ、別の感情が生まれかけていることに気づいて困惑する。全身に残る諒の痕跡ごと抱き締めるかのように、私は自身の体に腕を回した。
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