積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
諒EP-4
ちょうどロッカールームで帰り支度をしている時だった。困惑した様子の凜から電話がかかってきた。彼の話を聞いた時、俺の頭には疑問符しか浮かばなかった。
あの瑞月が泥酔してるって?
これまでの彼女からは想像がつかず、本当に瑞月のことを言っているのかと疑ってしまい、凜に訊き返してしまったほどだ。
凜は改めて肯定した後にこう言った。
―― 栞ちゃんにも電話したんだけど、全然つかまらなくて。わたしは店もあるし、かといって瑞月ちゃんをこのままにもしておけないじゃない。そうなるとこの場合、瑞月ちゃんのことを頼めるのは、諒しかいないわけよ。ねぇ、お願いできない?
凜は俺の気持ちを知っていて、なおかつ断らないと分かっていながら電話してきたのだろう。それはもちろん、構わない。しかし……。
「でも、瑞月には彼氏がいるんだよな。俺が迎えに行くのはまずいんじゃないか」
すると凜は少し考え込むような間の後に、ぼそっと言ったのだ。
―― 多分、いえ、かなりの高確率で、あれはダメになったわね。
「そう、なのか……」
可哀そうにと残念がる声を出した方が良かったのだろうが、うまくできなかった。
凜はきっとそれと悟っただろうに、素知らぬふりを通したまま電話越しに言った。
―― とにかく、あんたが来るまではここで預かっておくから、できるだけ早く迎えに来てちょうだいね。
あの瑞月が泥酔してるって?
これまでの彼女からは想像がつかず、本当に瑞月のことを言っているのかと疑ってしまい、凜に訊き返してしまったほどだ。
凜は改めて肯定した後にこう言った。
―― 栞ちゃんにも電話したんだけど、全然つかまらなくて。わたしは店もあるし、かといって瑞月ちゃんをこのままにもしておけないじゃない。そうなるとこの場合、瑞月ちゃんのことを頼めるのは、諒しかいないわけよ。ねぇ、お願いできない?
凜は俺の気持ちを知っていて、なおかつ断らないと分かっていながら電話してきたのだろう。それはもちろん、構わない。しかし……。
「でも、瑞月には彼氏がいるんだよな。俺が迎えに行くのはまずいんじゃないか」
すると凜は少し考え込むような間の後に、ぼそっと言ったのだ。
―― 多分、いえ、かなりの高確率で、あれはダメになったわね。
「そう、なのか……」
可哀そうにと残念がる声を出した方が良かったのだろうが、うまくできなかった。
凜はきっとそれと悟っただろうに、素知らぬふりを通したまま電話越しに言った。
―― とにかく、あんたが来るまではここで預かっておくから、できるだけ早く迎えに来てちょうだいね。