積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
瑞月が正気に戻った時、このまま俺を受け入れてくれるのか。それとも、嫌悪し拒絶するようになってしまうのか。彼女を抱くことは、俺にとって非常に危険な賭けのようなものだった。

叶うのであれば、この気持ちを受け入れてほしいと強く願いながら、俺は瑞月を愛した。柔らかな肌を撫でるたびに、可愛らしい声で素直な反応を見せる彼女に夢中になった。ここまできたらもう、最後まで抱かないという選択肢はなかった。

俺はサイドテーブルに手を伸ばして引き出しの中を探り、小さな包みを取り出した。

お守りよ――。

以前、片目をつぶりながらこれをくれた凜の顔が浮かぶ。

まさかこんな形で役立つ時がくるなんてな……。

軽く苦笑して準備を整えた。

「ごめん。だけどもう、お前がほしくて仕方がないんだ」

瑞月の体を愛おしみながら、まだ夢うつつの中にいる彼女に俺は小声で謝った。もう、限界だった。熱く滾る自分自身を彼女の中に突き立てて、深く体を繋げた。

その瞬間、喘ぎ声と共に瑞月の唇が俺の知らない男の名前を刻んだ。

「将司さん……」

そのひと言は俺の嫉妬心を煽った。瑞月を俺でいっぱいにしたいという想いが強烈に沸き起こった。昂り、荒々しい気持ちに抗えないまま、俺は貪るように瑞月の舌を吸い、彼女の中をさらに深く貫いた。
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