積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は想いを秘め続けていた〜
――当たり前だろ。瑞月が俺に相談したいなんて言うの、割と珍しいからな。心配になる。いったんウチに寄ってから行くよ。なんでもいいから、何か食べる物でも用意してもらえたら、ものすごくありがたいんだけど。お茶漬けでもいいからさ。
私はほっとしながら答える。
「分かった。ありがとう。気を付けてきてね。待ってる」
電話を切った私は、早速夜食の準備を始めた。それから一時間もたたないうちにインターホンが鳴る。諒だ。
私はいそいそと玄関に向かい、彼を招き入れた。
「お疲れ様。忙しいのに、会いたいなんて言ってごめんね」
「全然。瑞月の顔を見たら、疲れも吹っ飛んだよ」
「ふふっ。お夜食、できてるよ」
「お、助かる。腹ペコなんだ」
お腹をさする仕草をしながら、諒は嬉しそうに笑う。部屋に入ると、手にしていた二つのリュックを床に置き、テーブルの前に腰を下ろした。
「仕事の時は、いつもリュック二つも持って行ってるの?」
「ん?あれ?」
諒はにやりと笑った。
「一つは泊まる時用の荷物」
「泊まる時用?」
「今夜はこのまま泊まって行こうと思ってさ。お前は明日休みだろ?いいよな?」
「それはいいけど……。でも、諒ちゃんの明日の仕事は?ここから出勤で大丈夫?」
「明日は少し遅めに出てもいいんだ」
「そうなんだ。じゃあ、明日の朝ごはん、一緒に食べられるかな?」
「あぁ。だからさ……」
諒は口元に笑みを浮かべて私をちらりと見た。
「全身の痛み、もう大丈夫だろ?」
「おかげさまで、それは……」
諒が何を求めているのかが分かってどきりとする。熱を持った頬を手で隠した。
私はほっとしながら答える。
「分かった。ありがとう。気を付けてきてね。待ってる」
電話を切った私は、早速夜食の準備を始めた。それから一時間もたたないうちにインターホンが鳴る。諒だ。
私はいそいそと玄関に向かい、彼を招き入れた。
「お疲れ様。忙しいのに、会いたいなんて言ってごめんね」
「全然。瑞月の顔を見たら、疲れも吹っ飛んだよ」
「ふふっ。お夜食、できてるよ」
「お、助かる。腹ペコなんだ」
お腹をさする仕草をしながら、諒は嬉しそうに笑う。部屋に入ると、手にしていた二つのリュックを床に置き、テーブルの前に腰を下ろした。
「仕事の時は、いつもリュック二つも持って行ってるの?」
「ん?あれ?」
諒はにやりと笑った。
「一つは泊まる時用の荷物」
「泊まる時用?」
「今夜はこのまま泊まって行こうと思ってさ。お前は明日休みだろ?いいよな?」
「それはいいけど……。でも、諒ちゃんの明日の仕事は?ここから出勤で大丈夫?」
「明日は少し遅めに出てもいいんだ」
「そうなんだ。じゃあ、明日の朝ごはん、一緒に食べられるかな?」
「あぁ。だからさ……」
諒は口元に笑みを浮かべて私をちらりと見た。
「全身の痛み、もう大丈夫だろ?」
「おかげさまで、それは……」
諒が何を求めているのかが分かってどきりとする。熱を持った頬を手で隠した。