【改訂版】積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は想いを秘め続けていた〜

第23話

 夜食には、おにぎりとお味噌汁、レンコンのきんぴらを用意した。諒はそれらをパクパクと美味しそうに平らげていった。

「ご馳走さま。うまかった」
「そう言ってもらえて良かった。食後のお茶、何が飲みたい?コーヒー?紅茶?緑茶もあるけど」
「水、もらえる?」

 私は冷蔵庫から水のペットボトルを取り出し、グラスに注いで彼の前に置いた。

「ありがとう」

 諒はグラスに口をつけてから、思い出したように言った。

「ところで相談って何?」
「実は……」

 私は取っておいた例の文書を諒の前に広げた。
 それを目にするなり、彼の眉間に深いしわが寄る。

「何だ、これ」
「数日前からうちの郵便受けに入るようになったの。エントランスの所の」
「数日前から?」
「うん、毎日。最初の二日は、住所も何も書かれていない状態で白い封筒の中に入っていたの。三日目からは封筒にも入っていなくて、ただこうして紙だけが毎日入るようになって。で、今日で六日目」
「その間、何か変わったことはあったのか?」
「最初にこれを見つけた日の夜、非通知の無言電話があったの。いつもならそんな電話には出ないんだけど、この文書を見て動揺してたみたいで、うっかり出ちゃって。でもすぐに切れたわ。その後は特にはないとは、思う」

 諒の眉間のしわがますます深くなる。

「これさ……」
「もしかして、心当たりとかある?」
「心当たりと言うか……。数日前の帰り、また例の彼女に待ち伏せされて、今度は告白されたんだ。もちろん丁寧に断った。そしたら、あっさりと引き下がってくれたんだ。だからまさかとは思うけど、タイミング的に疑わしいと言えば疑わしいというか……」
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