積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は想いを秘め続けていた〜
第24話
いよいよ互いの実家へ挨拶に赴くこととなったその日。
私たちは諒の運転で地元に向かった。二人ともフォーマルとまではいかないが、諒はダークグレーのスーツにネクタイ、私は手持ちの中で一番落ち着いて見えるベージュのワンピースに白のカーディガンといういで立ちだ。
どちらの家族のこともよく知ってはいるが、目的が目的なだけに緊張する。それは諒も同じだったようで、車中の会話は弾まなかった。
まずは私の実家へと向かう。約束の時間より少し早い到着だ。
玄関前の空きスペースに車を停めて、諒は緊張した面持ちで私を見た。
その固い表情に私の緊張もさらに高まる。
「いよいよだな」
「う、うん」
「子どもの頃から知っている人たちだからなのか、余計に緊張するような気がする。なんていうか、落とせない試験前の緊張感に似てる」
「私も後でおじさんとおばさんに会いに行くと思うと、もう今から心臓が痛いんだけど……」
「大丈夫だ。とにかく行くぞ。もう約束の時間だ」
「そ、そうだね」
互いに意を決したかのように頷き合い、私たちは車の外に出た。
玄関のドアが開いたのはそれとほぼ同時だった。母が姿を見せた。
「なかなか車から降りてこないから、見に来ちゃったわ」
私の顔を認めて笑顔になった母だったが、次の瞬間目を大きく見開いた。その視線は私を通り越して、諒を見つめていた。母の声が何トーン分か上がる。
「あらっ、諒ちゃん?えっ?どういうこと?」
私たちは諒の運転で地元に向かった。二人ともフォーマルとまではいかないが、諒はダークグレーのスーツにネクタイ、私は手持ちの中で一番落ち着いて見えるベージュのワンピースに白のカーディガンといういで立ちだ。
どちらの家族のこともよく知ってはいるが、目的が目的なだけに緊張する。それは諒も同じだったようで、車中の会話は弾まなかった。
まずは私の実家へと向かう。約束の時間より少し早い到着だ。
玄関前の空きスペースに車を停めて、諒は緊張した面持ちで私を見た。
その固い表情に私の緊張もさらに高まる。
「いよいよだな」
「う、うん」
「子どもの頃から知っている人たちだからなのか、余計に緊張するような気がする。なんていうか、落とせない試験前の緊張感に似てる」
「私も後でおじさんとおばさんに会いに行くと思うと、もう今から心臓が痛いんだけど……」
「大丈夫だ。とにかく行くぞ。もう約束の時間だ」
「そ、そうだね」
互いに意を決したかのように頷き合い、私たちは車の外に出た。
玄関のドアが開いたのはそれとほぼ同時だった。母が姿を見せた。
「なかなか車から降りてこないから、見に来ちゃったわ」
私の顔を認めて笑顔になった母だったが、次の瞬間目を大きく見開いた。その視線は私を通り越して、諒を見つめていた。母の声が何トーン分か上がる。
「あらっ、諒ちゃん?えっ?どういうこと?」