積年愛に囚われて〜兄的幼馴染は秘め続けていた想いを開放したい〜
職場に復帰してから三週間ほどが過ぎた。初めのうちは同僚たちの気遣いのおかげもあって、比較的のんびりと、それこそリハビリのようなつもり仕事をし、定時で退社していた。しかし今では、もうほとんど以前のように働けるようになっていて、その日は久しぶりに残業しての帰宅となった。
まずはエントランスを入った所にある郵便受けを確認する。今日もまた、大量のチラシが入っていた。やれやれと思いながらそれらを取り出し、部屋に戻った。
まれに、そのチラシたちの間に公共料金の検針票や郵便物が紛れていることもあるから、玄関に入るとその場でひと通り目を通す。その中に、表書きのない真っ白な封筒があった。
ダイレクトメールかと思って裏を返してみたが、何の記載も印刷もない。以前、近所に新しくできた店の、チラシだとか割引券などが入った封筒が入れられていたことがあった。またそういう類のものかと思い、糊付けされていない封を開いてみた。折り畳まれて中に入っていた紙を引っ張り出し、広げた途端にどきりとした。
「何よ、これ……」
真っ白い紙の真ん中に、太めの黒い文字が並んでいた。
――久保田さんにあなたは似合わない。
「久保田さん、って。諒ちゃんのこと、かな、やっぱり……」
そうだとすれば、これを書いたのは、諒を知っている人ということか。文面からは、私と諒が交際していることを知っていて、そのことを快く思っていない気持ちが読み取れる。そしておそらくは、諒に思いを寄せている人物――。
私は手紙をじっと眺めた。
まずはエントランスを入った所にある郵便受けを確認する。今日もまた、大量のチラシが入っていた。やれやれと思いながらそれらを取り出し、部屋に戻った。
まれに、そのチラシたちの間に公共料金の検針票や郵便物が紛れていることもあるから、玄関に入るとその場でひと通り目を通す。その中に、表書きのない真っ白な封筒があった。
ダイレクトメールかと思って裏を返してみたが、何の記載も印刷もない。以前、近所に新しくできた店の、チラシだとか割引券などが入った封筒が入れられていたことがあった。またそういう類のものかと思い、糊付けされていない封を開いてみた。折り畳まれて中に入っていた紙を引っ張り出し、広げた途端にどきりとした。
「何よ、これ……」
真っ白い紙の真ん中に、太めの黒い文字が並んでいた。
――久保田さんにあなたは似合わない。
「久保田さん、って。諒ちゃんのこと、かな、やっぱり……」
そうだとすれば、これを書いたのは、諒を知っている人ということか。文面からは、私と諒が交際していることを知っていて、そのことを快く思っていない気持ちが読み取れる。そしておそらくは、諒に思いを寄せている人物――。
私は手紙をじっと眺めた。